「プロジェクトに必要なインフラエンジニア」になるためにカバーしておきたい5つの知識・技術領域

インフラの構築や運用・保守を担うインフラエンジニアのニーズは高まっています。しかし今後のキャリア形成のために、どのようなスキルを身に付ければよいのか迷うインフラエンジニアもいるのではないでしょうか。
今回はインフラエンジニアがプロジェクトに必要とされるエンジニアになるために、身に付けるべきプラスアルファの知識や技術、各領域における具体的なスキルを紹介します。
インフラエンジニアの現状と今後の需要
厚生労働省「jobtag」によれば、2023年のインフラエンジニアの全国平均求人倍率は2.23倍と高く、需要に供給が追い付いていない状況です。
2025年の崖問題へ対処する多くの企業がインフラ整備に注力していることから、インフラエンジニアの求人数は今後も増える見込みです。また、ブロックチェーンや生成AIなどの先端技術活用や、ゼロトラストの新たなサイバーセキュリティ強化に努める企業が増えていることも、インフラエンジニアの需要を後押ししています。
また、従来はサーバーのセットアップやネットワーク構築といった手動で行われてきた作業が、現在はIaC(Infrastructure as Code)のような自動化ツールにより効率化が進んでいます。IaCの台頭にともない、インフラ領域でもプログラミングの必要性が出てきました。
物理的なサーバーやネットワークの運用・保守業務で培ったスキルは、クラウド分野や設計・構築などの上流工程へステップアップする際にも十分役立ちますが、+αのスキルを身に付けることで、より求められるインフラエンジニアになることが可能です。
プロジェクトに必要とされるインフラエンジニアの5つのスキル
ここではプロジェクトに欠かせないインフラエンジニアになるために、身に付けるべきスキルを5つ紹介します。
上流工程(企画・設計・構築)
インフラエンジニアの上流工程とは、プロジェクトの企画、要件定義、設計、構築を指します。
クライアントの要望をヒアリングし、要件定義を行ったらITインフラの構造(アーキテクチャ)の設定を行います。システムの本稼働後のトラブルを回避するために、事故や障害を想定したインフラ構築を行うことと、不正アクセスや情報漏洩に備えてセキュリティ対策を行うことも、設計・構築フェーズで行う重要な職務です。
運用・保守の下流工程ならある程度マニュアル通りでも仕事はできますが、上流工程では顧客が満足の行くインフラを考え、構築しなければなりません。そのため一般的に上流工程はスキルと経験が備わった人材が担当し、プロジェクトの根幹にかかわる企画や要件定義はPM(プロジェクト全体の責任者)が担うケースがほとんどです。
運用・保守しか経験していない方は、オンプレミスでも構わないので設計・構築を経験しておくと、企業からのニーズが高まります。その他、インフラはアウトプットとして資格が重視される傾向にあるため、資格を取得することもおすすめです。
マネジメント
上流工程に携わるインフラエンジニアには、マネジメントスキルも求められます。
特にプロジェクトマネージャーレベルでは、開発の進捗管理や予算管理、リソース管理、リスクマネジメントなど、多方面の管理スキルが必須です。また、マネジメント能力を発揮するためには高いコミュニケーションスキルも不可欠です。
一般的にインフラエンジニアには技術力を極めたい職人気質の人が多く、顧客と話したりドキュメントを作成したりすることが苦手な人も少なくありません。言い換えると、マネージャー人材が少ない分希少価値は高いといえます。
3年~5年の現場経験を積んだ後一度リーダー職を経験しておけば、転職時にマネジメント力をアピールできるでしょう。
クラウド
現在多くの企業で、インフラ環境をオンプレミスからクラウドへ移行させています。そのため今後インフラエンジニアとして活躍していくためには、オンプレミスに加えてクラウドの知識とスキルも必要です。
まず主要なクラウドプラットフォームであるAWSやAzure、Google Cloudなどの基本を押さえておく必要があるでしょう。またクラウド化にともない、システム構築をコードでコントロールするIaC(Infrastructure as Code)のスキルも求められます。
Amazonの認定資格AWS認定やMicrosoftの認定、Azure認定の資格を取得すれば、クラウドの体系的な知識と実践的なスキルを習得することができます。
仮想化
インフラエンジニアのキャリアアップには、仮想化の知識とスキルも役立ちます。
仮想化技術の中でも、近年はコンテナ型仮想化技術が特に注目されています。コンテナとは、アプリケーションコードからランタイム、ライブラリ、依存関係までをパッケージ化する技術のことで、どの環境でも一貫して動作できることが特徴です。
以下のコンテナに関するスキルを持つインフラエンジニアは今後重宝されます。
- コンテナ管理プラットフォーム「Docker」:コンテナ仮想化を用いてアプリケーションを効率的にデプロイ、スケール、および管理するためのオープンプラットフォーム
- 運用自動化プラットフォーム「Kubernetes」:コンテナ化されたアプリケーションを管理・運用するためのオープンソースのシステム
仮想化技術を使うことで、リソースの効率的な利用やサーバー統合が可能になり、システムの高速化やコスト削減につながります。仮想化の知見を持つインフラエンジニアは、今後プロジェクトに欠かせない存在になるでしょう。
セキュリティ
システムが高度化・複雑化する中で、インフラエンジニアにはセキュリティの知識も求められます。
システムのクラウド化が進んだことにより、組織や企業の重要な情報が外部に晒されるリスクが年々増えています。手口が巧妙化するサイバー攻撃や情報漏洩のリスクに対し、ネットワークやシステムを守るセキュリティが重要視されるようになりました。
ITインフラのセキュリティ対策は、設計段階からシステムに組み込まれる必要がありますが、セキュリティ知識を持つインフラエンジニアはまだ希少です。そのため以下の知見を身に付けたインフラエンジニアはどのプロジェクトでも重宝されるでしょう。
- ファイアウォールの設定
- 侵入検知システム(IDS)
- データ暗号化技術
- ゼロトラストなど
プロジェクトに必要なインフラエンジニアになるためのおすすめ資格
インフラエンジニアは開発エンジニアと比べ、資格がアウトプットとして評価されやすい傾向にあります。
学習を通じてインフラの基礎から応用までを網羅的に学ぶことができ、転職時や案件獲得時のスキル証明にもなるので、ぜひ資格取得にチャレンジしてみてください。
CCNA
CCNAはCiscoSystemsが運営する、世界的に認知度の高いネットワーク技術の認定資格です。
ネットワークの基本スキルを証明でき、学習することでネットワークの設計・構築・運用保守に必要な知識を幅広く習得できるため、ネットワークの知見を深めたい方には特におすすめです。ただし出題範囲が広く試験時間が短いので(100問に対し120分)、十分な対策が必要です。
CCNAの資格手当が支給される会社もあるので、確認してみましょう。
概要 |
詳細 |
試験範囲 |
ネットワークの基礎、IPコネクティビティー、ネットワークアクセス、IPサービス、自動化とプログラマビリティー、セキュリティーの基礎 |
合格率 |
非公開(25~30%程度) |
難易度 |
低 |
学習時間目安 |
150~200時間 |
受験料 |
42,900円 |
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、ITエンジニアに必要な応用スキルを問われるIPA主催の国家資格です。
受験対象は基本情報技術者試験取得者や実務経験者レベルです。出題範囲が広く、学習すればネットワークやセキュリティ、システム開発・プロジェクト管理、要件定義などの上流工程まで習得できます。
システムによって企業やユーザーの課題解決を図りたい方におすすめの資格です。
概要 |
詳細 |
試験範囲 |
テクノロジ分野、マネジメント分野、ストラテジ分野、経営戦略、情報戦略、戦略立案・コンサルティング、システムアーキテクチャ、ネットワーク、データベース、組込みシステム開発、情報システム開発、アルゴリズム、情報セキュリティ、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査 |
合格率 |
20%程度 |
難易度 |
難 |
学習時間目安 |
200時間~(未経験の場合) |
受験料 |
7,500円 |
Linux技術者認定(LinuC)
Linux技術者認定(LinuC)は、Linuxを活用したシステムの構築・管理・運用スキルを証明する、日本のIT市場に特化したLPI-Japan運営の認定資格です。
現場のITエンジニアのコミュニティで出題範囲決定や試験開発を行っており、アーキテクチャ設計からシステム構築、運用管理までの幅広い技術領域や仮想化技術などから出題されます。CCNAがネットワーク寄りの資格とすると、LinuCはサーバー寄りの技術を証明する資格といえます。
レベル1~システムアーキテクトまでの4段階に分かれており、レベル1に認定されるには5年以内に「101試験」「102試験」の2つに合格することが必要です。
概要 |
詳細 |
試験範囲 |
Linuxのインストールと仮想マシン・コンテナの利用、ファイル・ディレクトリの操作と管理、GNUとUnixのコマンド、リポジトリとパッケージ管理、ハードウェア、ディスク、パーティション、ファイルシステム |
合格率 |
40%程度 |
難易度 |
中 |
学習時間目安 |
100時間前後 |
受験料 |
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ORACLE MASTER
ORACLE MASTERはOracle Databaseに関する知識とスキルを証明する資格で、データベースの運用保守の高い専門性が問われる試験内容です。
Bronze~Platinumの4つのレベルと、データアナリスト向けのSilver SQLとがあります。Goldレベルではバックアップ・リカバリのスキルが問われ、Platinumではミッション・クリティカルなシステムの高度な設計・構築・運用スキルが問われます。
概要 |
詳細 |
試験範囲(Bronze) |
データベースのインストール・作成、SQL管理ツールの使用、ネットワーク環境構築、データベース記憶域構造の管理、ユーザー・セキュリティ管理、スキーマ・オブジェクト管理、データベース監視・アドバイザ使用 など |
合格率 |
非公開(レベルによる) |
難易度 |
レベルによる |
学習時間目安 |
Bronzeで50時間前後 |
受験料 |
34,300円 |
AWS認定
AWS認定はAmazon Web Services(AWS)のスキルと知識を証明する資格です。
クラウド上のインフラ設計・構築に関する幅広い知識を問われる認定資格で、多数の企業研修プログラムにも採用されている注目度の高い資格でもあります。Foundational、Associate、Professional、Specialtyの4つのレベルと、対象職種が異なる10種類の試験に分かれているため、自分の経験や技術レベルに合わせて受験が可能です。
10~40分程度の短い動画で構成されたAWS公式のトレーニングが用意されており、一部無料で利用できるので活用することをおすすめします。
概要 |
詳細 |
試験範囲 |
レベル、受験領域による |
合格率 |
非公開(おおむね50%前後) |
難易度 |
中程度 |
学習時間目安 |
100時間前後 |
受験料 |
15,000円 |
プロジェクトに必要とされるインフラエンジニアを目指そう
企業のインフラ基盤を掌握したインフラエンジニアが+αのスキルを習得することで、プロジェクトに欠かせない存在となることが可能です。
クラウドや仮想化、セキュリティなどの最先端技術も将来有望ですが、企画、設計、構築の上流工程やマネジメントスキルを併せ持つことで、より市場価値の高いインフラエンジニアを目指せます。
先端技術や上流工程、マネジメントを習得したい場合は、新しい環境で実務経験を積むことも1つの方法です。リバミーではインフラエンジニアの上流工程案件を多数保有しています。自分の目指したいキャリアに沿った仕事で、裁量を持って働くことが可能です。
新しいスキルを身に付けてキャリアアップを図りたい方は、ぜひリバミーにご相談ください。