Webディレクターの仕事がはかどるタスク別・業務効率化ツール10選【王道編】
Webディレクターは、顧客やスタッフなどさまざまな関係者と信頼関係を結ぶ必要がある仕事です。サイトやコンテンツの企画、クリエイターやエンジニアのアサイン、プロジェクトの進行管理などやるべきことが多く、全体の進行と個別タスクの管理能力が求められます。
今回は、Webディレクターの業務を効率化できるツールを2回に分けて紹介します。第1回は、他社サイトのアクセスやSEOをチェックできるツール、画像加工ツール、業務指示をスムーズにする定番・王道ツールについて、それぞれの概要とメリットを解説します。
競合アクセス解析&SEO対策を効率化するツール
Webディレクターにとって、自社やクライアントのサイトの状況と競合サイトの動向、キーワードの検索ニーズなど、さまざまな情報を把握しておく必要があります。まずは自社・競合それぞれのサイト分析や、SEO対策などの施策に欠かせないツールを紹介します。
Ubersuggest
「Ubersuggest」は、アメリカのマーケターが開発したWebサイトへの流入キーワードを調べるツールです。
キーワード調査、トラフィック調査、被リンク調査などのメニューを無料で使用できます。有料プランでは、サイト改善アドバイスなどのコンサルティング機能が使えるようになります。
解析したキーワードのサジェスト、検索ボリューム、関連キーワードからユーザーのニーズを読み取り、SEOやコンテンツ戦略を立てる際に使えるツールです。
ラッコキーワード
「ラッコキーワード」は、Googleのサジェストキーワードを調査できるツールです。
無料版と有料版があり、サジェスト調査と抽出だけであれば、無料でも十分使えます。ビジターは、Googleサジェスト調査が1日5回などの制限がありますが、無料の会員登録で1日50回まで使用でき、キーワードの共起語やQ&Aを抽出することも可能です。
有料版は、Google検索におけるキーワードごとの月間検索数取得、記事のタイトル、見出し、関連ワードに関するAIの提案、SEOの競合分析などができます。ライトプランなら月間990円と、小規模なサイトやプロジェクトで活用しやすいツールです。
業務の指示出しを効率的に行えるツール
クリエイターやエンジニアへの制作上の指示を出す際に、細かいニュアンスが伝わりにくいと、ついついミーティングの回数が増えてしまいがちです。ここでは、メールやチャットでの簡単・的確な指示出しに役立つツールを紹介します。
AUN
「AUN」は、サイトや画像にメモを貼り共有できる登録不要の修正指示ツールです。Web制作におけるバグのチェックや修正指示を容易にするために作られました。
URLを入力するだけでページをキャプチャすることができ、ふせん紙の感覚で修正や疑問を貼り付けてメンバーと共有できるのがポイント。新しいプロジェクトや初めてのスタッフと仕事する際も、すぐに使える手軽なツールです。
Dropbox Capture
「Dropbox Capture」は、Dropbox社の画面共有サービス。スクリーンショットに簡単な説明書きを付けたり、画面収録した動画に、直接URLを発行したりすることができるツールです。
画面録画やナレーション、スクリーンショットを活用して、作業へのフィードバックや画像を使った状況説明、的確な指示出しができるので、うまく使えばミーティングを削減できるでしょう。
Dropbox から直接操作でき、ワンクリックで画面録画・スクリーンショットのGIF を取得し、リンクで簡単に共有できるのも魅力です。
Gyazo
「Gyazo」は、URLを貼るだけでスクリーンショットを共有できるツールです。OSに合わせたインストーラーをダウンロードするだけでスタート。リンクの埋め込みが簡単にできるため、メンバー間の日常的な情報共有や説明、マニュアルの管理などに活用できます。
アプリケーション版だけでなく、Chromeに追加する拡張機能版もあります。ブラウザ上の情報をスクリーンショットする場合は、拡張機能を利用するとよいでしょう。
画像加工
サイト運用をしているなかで、記事中の写真やバナーなどの画像を加工・修正して使いたいこともあるでしょう。有料アプリや専門デザイナーに頼らなくても、自身で画像を加工できる便利なツールを紹介します。
My Edit
「My Edit」は、AI技術を搭載した画像・音声編集サービス。インストール不要で、ブラウザ上で簡単に画像や音声の編集ができるオンラインサービスです。
トリミングや切り取り、反転などの画像編集や、AI効果音生成, AI文字起こしなどの音声編集、AI技術を利用したAIイラスト化や背景透過などが可能です。消しゴムのように、オブジェクトを消去することもできます。
人物の着せ替えやアバター化、風景の季節を変えるといった本格的な改変も可能です。
有料版と無料版があり、無料版では画像と音声の基本的な編集機能が利用できます。
Pixlr
「Pixlr」は、無料で利用できる高機能な画像編集ソフトです。ダウンロード不要で、AI機能を駆使した画像編集を利用できます。
直感的に使用できる初心者向けのツールで、PhotoshopやIllustratorを使ったことがなくても、塗りつぶしやフィルター、クローンスタンプやぼかしなどの加工が簡単にできます。Photoshopのような本格的ツールを備えた上級者向けの「Pixlr E」は、PSD(Photoshop)、PXZ、JPEG、PNGなど幅広い画像に対応しており、こちらも会員登録なしで使えます。
Canva
Canvaは、オンラインで使える無料・有料のグラフィックデザインツール。膨大なテンプレートと素材(写真、動画、イラスト、音楽)から、ドラッグ&ドロップで簡単にデザインを作成できます。
有料版のProでは、プロのデザイナーによる61万点ものハイクオリティなテンプレートを使えるので、これらを活用するだけで本格的なデザインを実現できます。同じアカウントでログインすれば、パソコンとモバイルでデザインを共有・編集することも可能です。
時短ツール
Webディレクターの仕事は、クライアントや自社のメンバー、パートナーとのコミュニケーションが多く、メールやメッセージにかかる時間や手間も軽視できません。Webディレクターのコミュニケーションを効率化するツールを紹介しましょう。
Microsoft IMEユーザー辞書ツール
「Microsoft IMEユーザー辞書ツール」は、Windows 10に標準登載された文字の入力や変換を可能にするソフトウェアです。
よく使用する単語や、固有名詞や難読漢字、長く複雑な単語などを登録しておけば、毎回ゼロから入力・変換せずに済みます。「お」で「おつかれさまです」、「よ」で「よろしくお願いいたします」などと登録しておけば、メッセージ入力の手間と時間を省けます。
よく使う用語や地名、人名、メッセージの定形文などを登録して使ってみると、メールやチャットにかかる時間が減ったと実感できるはずです。
基本業務をツールで効率化し、制作に注力できる環境を作ろう
Webディレクターのベーシックな業務をツールで効率化できれば、人為的なミスを減らし、制作の質を高めることが可能です。クライアントやメンバーとのコミュニケーションの円滑化も図れて、クリエイターやエンジニアと重要なやりとりをする時間を確保しやすくなります。
2回シリーズでお届けするWebディレクターの業務効率化ツール解説。次回は、あると便利な「気が利くツール」を紹介します。