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「Webディレクターあるある」で使える処方箋20 顧客とのやりとりからサイトのトラブルまで

2024.02.05
業務課題解決

会社や働き方によってワークスタイルが変わるWebディレクター。

日々の困りごとやトラブルに遭遇したとき「他のWebディレクターはどうしてるのだろう?」と、気になっているのではないでしょうか。

そこで今回は、そんな「Webディレクターあるある」な困りごとやトラブルをご紹介。

解決策と事前に備えるべき回避法も解説します。

対クライアント編「Webディレクターあるある」の解決策・回避法

Webディレクターは、日々クライアントとのやり取りで戸惑うことも少なくありません。ここでは、対クライアントの「Webディレクターあるある」と、その解決策を紹介します。

1.  「お任せします」といわれたのに修正だらけ

「『お任せします』といわれて制作を進めてから、次々と修正依頼を受けた」というケースに遭遇したことはありませんか。

クライアントの「お任せ」を真に受けて、詳細な確認をせずに制作を始めると、認識のズレから修正が生じる可能性があり、その後の工程と予算が圧迫されかねません。

こうした事態に陥らないためには、制作前のヒアリングや制作フェーズごとの打ち合わせで、クライアントの要望や意見を詳細に拾い上げ、方向性をブレさせないことが最善策です。制作物に対する認識をクライアントと統一しましょう。

2. 「言った・言わない」で揉める

打ち合わせで話し合っていたはずなのに「言った・言わない」論争になってしまった経験はありませんか。

あとから認識のズレを生まないためには、会議の記録を残しておき、内容を共有しておくことが重要になります。電話はメモを残し、オンライン会議は録画して履歴を残し、それぞれ共有しましょう。証拠を残していない場合は、双方の妥協点を見つけるしかなくなり、協議に苦労します。

3. クライアントの決裁者に話が通っていなかった

「話が窓口の担当者で止まっていて、クライアントの決裁者まで話が通っていなかった」というケースも、よくあります。

担当者に話を通していても、決定権のある上層部が把握していなければ、制作後に却下され、最悪やり直しを求められかねません。

こうならないためにも、クライアントには正確な情報を、担当者以外にも理解できるよう、わかりやすく伝えることが大切です。シンプルな資料や、初心者でも解る説明を心がけるとともに、ツールなどの確実な伝達手段を積極的に活用しましょう。

4. 修正指示が意味不明

クライアントの修正指示がわかりづらく、修正に手間取るケースも少なくありません。

例えば、指示する相手の文章が読みづらい場合や、示しているページ・箇所が明確でない場合などです。修正指示を把握しにくいと、多くの時間・工数ロスが生じてしまいます。

この場合はクライアントに、Aun(あうん)やMITEKAKU(ミテカク)、AKAPON(アカポン)などの修正指示ツールの使用をすすめ、明確な指示を出してもらいましょう。ハイライトやコメント機能を活用すれば、修正箇所がわかりやすく、効率的な修正対応が可能です。

5. 要件定義が終わらない

「要件定義後に次々と要求が出てきて、仕様が決まらない」など、プロジェクトの初期段階でゴールが決まらないことも、よくあります。

要件が定まらなかったり、変更されたりすると、スケジュールと予算の調整が必要になり、リソースの再配分を迫られます。

実際にデザインを見たクライアントが、新しいアイデアや要望を思いつくこともあるでしょう。可能な限りクライアントの要求に応えられるよう、スケジュール管理とチーム調整に柔軟性を持たせ、変更に対応しやすい体制をつくっておくことが重要です。

6. 予算以上の対応を要求される

クライアントから「100万円の案件なのに、あとから150万円分の対応を要求された」といった経験をした人もいるのではないでしょうか。

対処法としては、簡単に断るのではなく、「現状の予算では、その対応は難しい」と伝えると同時に「費用を追加していただければ、この要件の範囲内で対応は可能です」など、代替的な折衝ができると角が立ちません。現実的な代替案なら、クライアントも納得して受け入れやすいでしょう。

クライアントは、予算感や工賃相場を把握していない可能性もあるため、見積時に予算と制作費用の根拠を明確に説明することも大事です。

7. 無理な納期を指定される

「『〇月〇日に会社を立ち上げるので、その日に公開できるようWebサイトを作って欲しい』と公開予定の2週間前に依頼された」といった、無理な納期で依頼された方もいるのではないでしょうか。

開業にともなうサイト制作であれば、設立当日に公開したいクライアントの気持ちもわかります。しかし、さすがに2週間で数十ページの制作は無理なので、例えば当日トップページのみ公開し、追々ページを追加するといった折衷案が現実的でしょう。

8. ワイヤーフレームで確認してもらえない

「ワイヤーフレームを説明し、差し戻しがなかったためデザインを進めたら、大量の修正依頼が来た」といったケースもあるようです。

ワイヤーフレームの段階でクライアントがチェックしなければ、制作を進めてから方向性のズレが表面化し、修正が必要になることもあります。

Webディレクターはワイヤーフレームでサイトの構成案と目的を説明し、クライアントと共有することが求められます。ただしワイヤーフレームはデザイン案と比べると、重要性を理解しにくいかもしれません。提示時に一つひとつの要素について、ヒアリングで聴いた要望と紐づけしながら、構成意図を説明すると先方も理解しやすいでしょう。

9. Googleのアルゴリズムを気にしすぎる

「検索順位が落ちているのでなんとかしたい」「Google Speed Insightsの数値が基準値よりも低い」など、Googleのアルゴリズムばかり気にするクライアントもいらっしゃいます。

集客のために検索上位に表示させることも大切ですが、Googleの評価に気を取られ、詳細なSEOばかりに注力していると、優先すべき要件が疎かになってしまう可能性があります。

ユーザーの求めるものを明確にし、一貫性のあるコンテンツを提供することでGoogleの評価を高められ相対的に検索順位の向上につながることを、クライアントに再度認識してもらいましょう。

10. キャッシュで修正が表示されない

依頼どおり修正して再提出したにもかかわらず「修正依頼した箇所が直っていないけど」と連絡を受けるケースもよく見受けられます。

多くの場合、クライアント側のブラウザにキャッシュが溜まっていて、古いデザインが表示されてしまうことが原因です。「ブラウザのキャッシュをクリアしてみてください」と伝えると解決します。

とはいえ、時には本当に修正を忘れていて、指摘を受け慌てて修正してから、キャッシュをクリアするよう伝えるという粗技を使う人もいるようですが…。お客様との信頼関係を大事にしたいなら、避けてください。

11. クライアントとの距離感が近すぎる

クライアントとの密接なコミュニケーションは大切ですが、距離感が近すぎても問題やトラブルの原因になります。

クライアントと親密になりすぎると、連絡が取りやすくなる一方で、必要な書類や手続きを省略されてしまう可能性があります。手続きの簡素化は一見効率的に見えますが、内容がほかの関係者に伝わっていなければ、トラブルになった際の解決が困難になります。

決め事をクライアントとの電話や口頭で済ませず、誰が見てもわかるように、議事録などを作成し共有することが重要です。

12. オンラインの打ち合わせで画面が止まった

オンラインの打ち合わせで「回線が悪くなり画面が停止」して冷や汗をかいた方も多いのではないでしょうか。

例えばZoomの場合、端末・Zoom・ネット環境のいずれかに問題があると、画面や音声が途切れることがあります。主にインターネット回線速度の遅さが原因で(最低でも5Mbps以上が必要)、Zoom単体では速度をクリアしていても、同時に他のアプリを使うと不安定になるため、要注意です。

打ち合わせ前には、事前に「不要なアプリを切る」「Zoomアプリやブラウザを最新版にアップデートする」などを行い、通信環境を整えておきましょう。

13. Webのトレンド・スマホファーストを聞き入れてもらえない

クライアントの業種によっては「スマホファーストなどのWebのトレンドを聞き入れてもらえない」場合があるようです。

古い体質の業界では、昔ながらのホームページを作って欲しいと依頼されるケースがあります。こうした企業や業界では、ユーザーの使用デバイスや使用感、トレンドを理解してもらうのに苦労します。

それでもユーザーの動向を考慮したうえで、トレンドとスマホファーストの重要性をある程度納得してもらい、妥協点を探るほうがベターです。何よりデザインを刷新できれば、他社に先駆けて新しいユーザー層へアプローチできるかもしれません。

14. つい専門用語で説明してしまう

Web業界特有の「WF」「MV」「カラム」「ファーストビュー」「ディスクリプション」といった専門用語やヨコ文字を連発してしまい、要旨がクライアントに通じていなかった…そんな経験はありませんか?

打ち合わせの場で、相手は理解していなくてもわかったように振る舞う可能性があり、そうなると後に認識のズレが生じてしまいます。

そもそもWebに詳しくないから、サイト制作を外注しているという会社が多いわけで、クライアントは専門用語を「わかっていない」ものと考え、多くの人が理解できる言葉で説明することが大切です。打ち合わせの場では「わからない言葉は遠慮なく聞いてください」と前置きするとよいでしょう。

社内・制作現場編「Webディレクターあるある」の解決策・回避法

「Webディレクターあるある」な出来事は対クライアントだけではありません。ここからは、社内や制作現場でのあるあるとその解決法を紹介します。スタッフとのコミュニケーションや仕事の回し方の参考にお読みください。

15. クライアントと制作側の板挟みになる

「クライアントからの修正フィードバックをデザイナーに拒否された」「クライアントとスタッフ両方の顔色を常にうかがいながら仕事をしている」。そんな経験もWebディレクターあるあるでしょう。

Webディレクターの役割は、依頼者と制作スタッフ両方の視点に立って仕事の調整をすること。クライアントの修正要求に応えるためにも、スタッフの視点から一緒に考えることで、スタッフの視座を高める働きかけも必要です。

16. ワイヤーフレームそのままのデザインでアップされる

「ワイヤーフレームそのままのデザインをアップされた」という経験を持つ人もいるかもしれません。

Webディレクターには、ワイヤーフレームと参考デザインを使い、デザイナーに制作の方向性を明確に伝える役割があります。ワイヤーフレームそのままのデザインが上がって来たとすれば、方向性についてのやり取りが十分できていなかったのかもしれません。

デザインの品質を高めるためにも、デザイナーへデザインを依頼する際には、サイト全体の統一イメージ、トーンやマナー、世界観などのベースになるイメージを的確に伝えましょう。

17. バグが多い・修正と違う箇所がバグる

「さんざんテストしたのにバグがなくならない」「1ヵ所コーディング修正したら、正常だった箇所が崩れた」といった話もよく聞かれます。

バグを発見するためには、修正箇所以外も確認する必要があります。システムのテストには、正しく動くことを確認するためのテストのほかに、バグを発見するためのテストがあるというほど、本来バグの発見は難しいものです。

修正により、他の箇所へ影響を及ぼす可能性もあるため、影響範囲を明確にして修正作業を行いましょう。Webサイトの場合は、ユーザーの立場に立ち、ユースケースに沿ってテストの手順を決めておくのもひとつの方法です。

18. 本番で動作しない

「テストでは動作したのになぜか本番では動作しない」といったケースもよくあるようです。

本番で動作しない原因は、テスト環境と本番の環境が異なるためです。具体的には、サーバーの違いや、サーバー設定、テスト環境で開発途中だった要素の存在などが挙げられます。

バグ対策と同様に一筋縄ではいきませんが、ユーザーの使い方を想定し、設計段階でサイトの運用パターンについて整理しておくとよいでしょう。

19. チャットツールの返信が遅いと不安になる

チャットツールの連絡への返信が遅いとき、メッセージを読んでいるか不安になることもあるでしょう。制作スタッフも別の案件やプライベートなどで、手が離せない時間があるかもしれません。

スタッフに対し、Slackでいうステータス変更のような、設定ルールを周知するのも1つの方法です。返信できない場合にはリアクションだけでもよいと伝えておけば、相手にも負担にならずに済むでしょう。

20. 自分の仕事が後回しになる

制作会社のWebディレクターにとっては「デザイナーやコーダーのフォローをしているうちに、気が付くと資料作りをする時間がなくなっていた」「定時を過ぎてからようやく自分の仕事に着手できた」という経験も少なくないでしょう。

結論からいえば、時間が経つとメンバーにも焦りが出るため、自分の仕事は極力先に片付けてしまうのがベターです。自分の仕事が終わっていれば、誰かのサポートへ迅速に入れるので、結果的に自分とチームのためにもなります。

「Webディレクターあるある」の予防・解決は事前の準備とコミュニケーションから

「Webディレクターあるある」の予防と解決の鍵は、事前の確実な情報共有にあります。

クライアントの要望を聞きいれながら、「あらかじめ揉めそうな箇所を洗い出し対策しておく」「相手にもメリットのある代替案を用意しておく」といった事前準備と交渉術により、トラブルをある程度未然に防ぐことが可能です。

クライアント・制作スタッフと良好なコミュニケーションを確保するには、ツールの活用も有効です。すべての関係者へ正確にわかりやすく伝達し、伝わっているかどうかを確認することで、プロジェクトを効率的に進行できます。

コミュニケーション能力の高いWebディレクターはどんな現場でも重宝されます。ぜひワンランク上のWebディレクターを目指して、引き続きスキルアップに努めましょう。

プロジェクトマネジメントの経験を積めるリバミーで新たなキャリアを

「Webディレクターあるある」に陥ってしまう最大の原因は、適切なプロジェクトマネジメントとコミュニケーションができていないこと。上流のプロセスでクライアントの意向をしっかり握れていれば、後工程の「あるある」の多くをスムーズに解決できます。

リバミーでは、大手企業のサイト制作や改修などのプロジェクトを数多く請け負っています。Webディレクターとして、さまざまな会社のプロジェクトを経験し、将来のキャリアアップにつなげることができます。

Webディレクターとして、これまでとは違う経験を積んで力をつけたい方は、ぜひリバミーにご相談ください。

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