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Webディレクターのキャリアパスと必要なスキル

2024.02.27
WEBディレクターの仕事

Webディレクターは、多彩な業務をこなす関係で、キャリアパスを見失いやすい職種でもあります。多くの専門職と仕事を進めるなかで、「Webディレクターは『何でも屋』で、専門性がない」と感じてしまう人もいるようです。

しかし実際は、Webディレクターには、幅広い領域をカバーしているからこそ多様なキャリアの可能性があります。大企業やフリーランスでサイトディレクションを手がける人の多くは、強みとする領域や専門性を明確にして信頼を得ています。

今回は、将来を描けず悩む現職のWebディレクターのみなさんに向けて、具体的なキャリアパスと、実現のために身に付けるべきことを紹介します。

働き方別・Webディレクターのキャリアパスの描き方

まず、Webディレクターの働き方と働く場からキャリアパスを考えてみましょう。

Webディレクターの働き方は、大きく分けて制作会社・事業会社・フリーランスの3通りです。それぞれについて、基本的な働き方とキャリアパスの可能性を解説します。

①制作会社でディレクションを極める

制作会社のWebディレクターは、クライアントの事業に貢献するWebサイト制作のために、チームを牽引する重要な役割を果たします。

クライアントからヒアリングした要望を取りまとめたうえで、企画のコンセプトや具体的な制作内容、システムの仕様などをクリエイターやエンジニアに伝え、完成・納品までディレクションと進行を行います。

制作会社には、企業サイト、サービスサイトなどを広く取り扱う総合的な会社と、特定の業界に強い会社、ブランディングや採用など得意分野に絞り込む会社があります。どんな会社を選ぶかによって、その後のキャリアパスが変わってきます。領域特化の会社を選ぶ際には、「強みを築き上げて独立する」「業界の専門知識を武器にする」など、その後のステップを描いておいたほうがいいでしょう。

いずれにしても、多様なサイトをディレクションする機会があるのが、制作会社で働くメリットです。デザイナー、ライター、Webエンジニアなど幅広いネットワークを構築できるのも魅力です。ただし、小規模で制作するサイトが限られる会社は、スキルアップや人脈づくりが難しくなる可能性があります。

転職するなら、社長のプロフィール、手がけているサービスの領域、制作実績をしっかりチェックし、自分が描く将来像とすり合わせてみましょう。制作会社でキャリアアップするためには、クライアントやチームメンバーとの折衝能力や調整能力に磨きをかける必要があります。制作工程で的確なアドバイスができるよう、HTMLやCSS、JavaScriptといった言語も習得しておくことをおすすめします。

②事業会社で活躍する

事業会社のWebディレクターは、自社のWebサイトを制作・運用し、事業の利益に結び付ける役割を担います。

自社サイトの数値を改善するために、さまざまな施策を策定・実行し、必要に応じてサイトのリニューアルを企画するなど、ひとつのサイトに中長期的に携われるところが制作会社と異なります。

部署を横断するスケールの大きな仕事に携われて、事業やサービスの成長の一端を担えるのが事業会社のメリットです。サイト公開のタイミングも、社内調整をしながらコントロールできることも多く、顧客の要望に沿うのが基本の制作会社とは設計の仕方が変わってきます。

事業会社のメリットは、Webディレクションに加えてSEO、広告・SNS運用などのマーケティング・運用スキルに関われるチャンスがあること。サイトを納品したら業務完了の制作会社では携われない長期的なサイト改善を行うことができます。

デメリットは、分業が進んでいる会社では、担当できる業務が限られてしまうこと。社内の他部署の事情によって、制作内容が変わるケースがしばしばあり、会議や調整に時間を取られるWebディレクターも少なくありません。

事業会社を検討する場合は、事業・サービスの目的と今後の展開、Web関連の組織・体制、社風についてリサーチする必要があります。社内異動等で、希望する仕事とは違う業務を担当することにならないよう、求められている役割やポジションについても詳細に確認しておいたほうがいいでしょう。

Webディレクターとして経験を積んだら、組織を束ねるマネージャー、全社のWeb関連組織を統括する部長や役員といったキャリアアップが視野に入ってきます。サイトの集客・制作・運用にトータルに関わりたい人、マネジメント力で勝負したい人、事業全体の運営に携わりたい人は、制作会社より事業会社のほうが目標に近づける可能性が高そうです。

③フリーランスとして独立する

制作会社や事業会社で実績を積んだWebディレクターには、フリーランスとして独立する 道も開けます。

フリーランスは自由度が高く、働いた分だけ収入が増えるため、張り合いがあると感じる人も多いでしょう。実績を積んだら、すぐに次の案件獲得でアピールできるのも、フットワークが軽いフリーランスの強みです。

フリーランスとして活躍するためには、HTML・CSSやJavaScriptなどの言語、サイト解析・分析ツールの活用はもちろんのこと、案件獲得のための人脈と営業力も必須です。通常は複数案件を掛け持ちするため、タスク管理・調整能力がないと売上・利益を伸ばしていくのが難しくなります。

ツールの導入や経理などの事務作業も自身で行うため、セルフマネジメント能力も欠かせません。

制作会社の経験者なら多様な制作経験や折衝スキル・人脈、事業会社出身ならサイトの分析・改善スキルやマーケティングスキルを武器にできる人が多いのではないでしょうか。フリーランスをめざすなら、在職中に自分に足りないスキルを補い、Webディレクターとしてバランスの取れたスキルセットを身につけておく必要があります。

強み別・Webディレクターのキャリアの描き方

Webディレクターのキャリアパスは、自らの強みと専門性を明快にすると、より具体的になってきます。ここでは、Webディレクターの強みに即したキャリアの方向性を紹介します。

1.Webコンサルタントをめざす

大規模サイトのプロジェクトで事業やサービスの成果を向上させた経験を積んだ人や、特定の業界のビジネスモデルやマーケットに精通した人は、業界や事業に対する知見をセールスポイントにするという道があります。ひいては、企業に対するWebコンサルタントとして、総合的な課題解決に携われるようになれるかもしれません。

求められる人材条件は、営業や事業企画など、Web以外の組織のメカニズムを理解していること、サイトの成果だけでなくクライアントの課題解決にやりがいを感じられること。専門用語を使わずわかりやすく提案・説明できるコミュニケーション力、お客様の疑問や不安を迅速に解決しようとするホスピタリティが必要です。

Webコンサルタントの主な仕事は、事業の状況に対応するWeb戦略の策定、サイトやプログラム、コンテンツのプランニングのサポート、サイト運営全体のコンサルティングです。クライアントの課題発見、解決策の提案、戦略立案を通じて、Webサイトから商品やサービスが売れる仕組みを作り出す役割を担います。

Webコンサルタントをめざすうえで求められるスキルは、経営企画や事業企画に関する知識、サイトやシステム、プログラムの制作・開発をディレクションできる力です。SEOやリスティング広告、DSPといった、Webやマーケティングの広範な知識も必要になるので、業務を通じて身に付けたスキルを体系立てて学び直しておくといいでしょう。

2.データ分析を強みにする

サイト解析・分析を得意とする人は、Webアナリストとして活躍するというキャリアパスもあります。

Webアナリストの仕事は、クライアントのサイトのアクセス解析を行い、データに基づく改善策を提案すること。現行のサイトを精緻に分析し、サイトの課題を明確にして次なる施策を設計していきます。ときには調査を実施することでユーザーの動向を洗い出し、サイトの現状と照らし合わせて新たな施策を提案することもあります。

Webアナリストは、GA4やサーチコンソール、キーワードプランナー、Similar Webなどアクセス解析の専門ツールの活用ノウハウと、データ分析のスキルが必要です。業務を通じてツールの活用レベルを高めつつ、社内外のセミナーに積極的に参加し、現職のアナリストからさまざまな考え方や手法を習得すると目標に近づけるでしょう。

3.運用管理に特化する

コンテンツやSNSを活用してアクセスを伸ばす経験を重ねたWebディレクターには、運用管理系に特化するという手があります。

運用管理系Webディレクターは、SEOの知識を活かして、サイトの検索順位改善・CTR改善などの施策を推進します。ページ制作やコンテンツ企画の段階から運用を見据え、業務設計を行うのも重要な仕事です。

目標であるKPIを設定したり、SEOを踏まえコンテンツを更新したりするなど、サイトの成果を高めるために重要な役割を果たすWebディレクターは、成果を出せれば長期的なプロジェクトに携わることができます。

求められるスキルは、サイトやSNSのコンテンツ企画、制作、運用とマーケティング全般の知識、SEOに関する最新の知見です。先入観や感覚に囚われずに物事をフラットに捉えられる人、成果にこだわれる人、担当する業界やサービスの最新情報を随時キャッチアップできる人に向いているキャリアです。

4.コンテンツ制作に特化する

コンテンツ制作に注力したい場合は、コンテンツディレクターとして制作や運用に特化する道もあります。

コンテンツに関する知見を強みとするWebディレクターの仕事は、自社サイトやクライアントの課題解決、制作進行、コンテンツの品質管理、SEO施策など。ライターなどスタッフのアサインとマネジメント、個別の制作物を改善するためのフィードバックも、コンテンツディレクターの役割です。

コンテンツディレクターには、施策の提案力、SEOの知見とノウハウ、マーケティングスキルのほか、ユーザーのターゲティングや柔軟な発想力が求められます。既にページ制作の仕事に携わっているWebディレクターは、作ることだけに特化せず、「なぜ成果が出たのか」「どうすればより改善できるのか」を明確にしながら、経験をノウハウに転化していくといいでしょう。

5.デザイン・UI/UXを専門とする

デザイナー出身のWebディレクターなら、デザインとページ、コンテンツをトータルに設計できるという強みで勝負するというキャリアもあります。デザインだけでは、実績ある制作会社やフリーのデザイナーとの差別化が難しくなりますが、特定の業界知識やコンテンツ企画のノウハウがあれば、総合的なWebディレクターとしてポジションを確立できる可能性が高まります。

今後はUI/UXにおいて、WCAG(Web Content Sccesibility Guidlines)などの基準に準拠したアクセシビリティも求められます。常にデザインやサイト全般に関する最新知識が必要で、大変な仕事ではあるものの、ページ全体の仕上がりにこだわりたい人にとってはモチベーションが高まる役割でもあります。

6.システムのプロとして活躍する

フロントエンドエンジニアの経験を活かすなら、テクニカルディレクターをめざすという選択肢があります。

Web系のエンジニアやプログラマーを統括し、サイト全体のシステムやUXの設計・開発を推進していくのがテクニカルディレクターの役割です。サーバーやブラウザ、データベースに関する知識に加えて、クライアントと良好な関係を構築する力や交渉力も求められます。

大規模なサイトのシステムに関する専門知識を持つWebディレクターは、さほど多くないので、フリーランスや起業をめざす際に強力な武器になる可能性があります。現職のうちにプロジェクト推進の経験を積むとともに、最新の技術についての知見を高めておきましょう。

多様なキャリアを実現できるリバミーに相談を

ここまで読んで、Webディレクターには、さまざまなキャリアパスが描けることをおわかりいただけたのではないでしょうか。ぜひ自分の強みを整理し、理想のポジションと働き方について考えてみてください。

最後に伝えたいのは、どの領域を強みにするにせよ、Webディレクターとして活躍するならサイト、マーケティング、システム、デザイン、サーバーなどに関する幅広い知識とノウハウをカバーしなければならないということです。マルチタスクが評価される時代のプロフェッショナルは、専門の領域を広げていかなければ、どこでも通用する人材とはいえなくなります。

リバミーでは、Webディレクターがスキルアップできるために、キャリアマップに基づく独自の育成メソッドを実践しています。自分の強み・弱みと伸びしろを把握しながら、最適な仕事経験を積んで市場価値を高めたい方は、ぜひリバミーにご相談ください。

リバミーの求人・採用情報

リバミーが求める人材は、自由な発想で創造ができる人。
経験が浅い方でも、社内研修制度や業務経験を通じて成長し、活躍できるようになります。
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個々の想いや成長を大切にする会社です。