フロントエンドエンジニアの将来性は?おススメの5つのキャリアプラン
「フロントエンドエンジニアに将来性はあるのか?」と、不安を感じる現役ITエンジニアは少なくないようです。
昨今のWebに対する需要の高まりは留まるところを知らず、フロントエンドエンジニアは一見追い風に見えます。その一方で、フロントエンドエンジニアの一部が「将来危ない」といわれるのはなぜでしょうか。
今回の記事ではのフロントエンドエンジニアが危ないといわれる理由と、現状を脱却するために習得すべきスキルについて解説します。さらにフロントエンドエンジニアの料来を見据えたおすすめのキャリアプランも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
フロントエンドエンジニアの将来性が懸念される理由
Web業界が隆盛を極める中、傑出したスキルのない、いわゆる一般的なフロントエンドエンジニアが「危ない」といわれる背景と理由について解説します。
フロントエンドエンジニアの過剰供給
ITエンジニアの中でも、近年Webエンジニアへの就職人気が高まっています。特にフロントエンドエンジニアをめざす人が多く、近い将来供給過多になると囁かれているようです。
フロントエンドエンジニアが増えた背景には、プログラミング教育の体系化と普及があります。手軽に学べるようになったことで、IT職種への参入障壁が下がり、近年は文系出身者や非デスクワーク従事者でも、エンジニアをめざす人が増えました。特にフロントエンド領域は、バックエンド領域よりも比較的早く習得できることから、人気が高まったと考えられます。
さらに2020年以降のコロナ禍で、リモートワークのニーズが顕在化したために、いっそうフロントエンドエンジニアをめざす人が増えたことも1つの要因です。
ツールの進化によるエンジニア需要縮小
人材供給が増える一方で、AIやノーコードツールによりWebサイト制作が簡略化され、フロントエンドの必要な工数そのものは削減される傾向です。仕事がツールに代替される分、需給のバランスが崩れているとの指摘もあります。
最近では、FigmaのFRONT-END.AIや、VS Code・ChatGPT搭載のCursorといった自動生成ツールが話題を呼んでいます。最新ツールではコード自動生成のほか、編集や自動デバッグなども可能なことから、近い将来フロントエンドエンジニアが不要になるとの声が挙がっているのです。
とはいえ、官公庁の電子申請システム化に象徴されるように、社会のWebアプリケーションの制作・運用需要は今後も拡大していくと考えられます。
引き続き多くの分野でWebサービス化が進むため、Webサービスの開発・運用・保守・アップデートに広く対応できるハイスキルなWebエンジニアは必要でしょう。
「危ない」といわれるフロントエンジニアの特徴
フロントエンドエンジニアの全体的な需要は高いものの、人材ニーズは今後両極化していくでしょう。その中で、将来性の危ぶまれるエンジニアには、以下の特徴があります。
- これといった強みがない
- 新しい知識や技術の習得に関心がない
- ルーティンワークだけを続けている
それぞれ解説します。
これといった強みがない
フロントエンドの就業人口が増えている中、強みを持たないエンジニアは需要が下がるといわれています。
「アニメーションが得意」「PHP/Ruby/Pythonもわかる」といった得意分野や強みを持っていれば、仕事の依頼を受ける機会が多いといえます。しかしフロントエンドエンジニアの絶対数が増えている現在、強みを持たない人材は採用の決め手を欠くため、優先順位が下がってしまうでしょう。
今すぐフロントエンドエンジニアが飽和することがないとはいえ、強みのないエンジニアの給与や仕事の単価相場が、低く抑えられる可能性はありそうです。
新しい知識や技術の習得に関心がない
エンジニアとして最先端技術に関心を持てないことも、将来が危なくなる兆候のひとつです。
IT業界、特にフロントエンドは進化の速い領域のため、日頃から最新技術やトレンドにアンテナを張っていなければ、開発についていけなくなる可能性があります。Web制作では少なくとも、最新のSEOやUI/UXを率先して吸収し、実装できる技量が求められます。
「フロントエンドエンジニアは衰退する」とまではいえませんが、何かに特化したり、新しい技術を学んだりできない人は、新規参入者やツールに代替されやすくなりそうです。
ルーティンワークだけを続けている
目の前のルーティンワークだけを続けている働き方も、危ないフロントエンドエンジニアの典型的な特徴です。
ただ受動的に仕事をこなしているエンジニアは、適切なリファクタリングやバグの発見・レビューを行えず、プロセスや業務の改善ができません。また、クライアントから聴いた仕様を要件に落とし込む工程ができなければ、業務の幅を広げられず、仕事が先細りになる可能性が高くなります。
事実、コーダーの仕事の単価は下落傾向にあるといわれており、初心者でも担える単純な仕事だけをしている限り、将来性は低いといわざるを得ません。
フロントエンドエンジニアにおすすめの高需要スキル3つ
将来が先細りで「危ない」といわれるフロントエンドエンジニアが生き残るためには、需要の高いスキルを身につけることが大切です。
ここでは、他のフロントエンドエンジニアと差別化を図り、エンジニアとしての市場価値を高めるうえで役立つ、おすすめの高需要スキルを3つ紹介します。
- クラウドサービス上での開発スキル
- データベース(SQL)スキル
- マネジメントスキル
クラウドサービス上での開発スキル
フロントエンドエンジニアにおすすめのスキルの1つ目は、クラウドサービス上での開発スキルです。
Webアプリケーション開発では現在、AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudといったクラウドサービス上の開発が増えています。これらのクラウドサービスでは、サーバーやアプリケーション開発プラットフォームが用意され、安価かつスピーディーに開発できるため、多くの企業が参入しているのです。
クラウドサービス上の開発スキルを持つ人材は重宝され、特にAWS認定などの資格取得者は即戦力と期待されるでしょう。
データベース(SQL)スキル
フロントエンドエンジニアにおすすめのスキルの2つ目は、データベース。特にSQLのスキルです。
企業が収益性・生産性を向上させるために、ビッグデータを利活用するニーズが高まっています。そのため基本的なデータベースソフトウェアに加え、ソフトウェアを操作・制御するデータベース言語であるSQLのスキル保有者が求められるようになりました。
今後、データベースの設計・実装・保守ができるエンジニアは高く評価されます。可能であれば、データマイニングなどのデータ活用スキルも、併せて習得するとよいでしょう。
マネジメントスキル
フロントエンドエンジニアは今後、開発や制作のためのテクニカルスキルに留まらず、マネジメントスキルを身につけることもおすすめします。
Web制作・開発現場では、具体的に以下の管理・遂行スキルが求められます。
- 目標設定
- リソース管理
- 状況把握・対処
- 業務遂行
これらのマネジメントスキルを持つエンジニアは、制作や開発をスムーズに進行できるため、採用したい企業は多いはずです。
チーム全体を管理・統率する能力を習得できれば、WebディレクターやPM、コンサルタントなどの上位職をめざす足がかりにもなります。
フロントエンジニアのキャリアプラン5選
新たなスキル習得が必要といっても、何から手を付けてよいかわからない方もいるかもしれません。その場合は、将来のキャリアプランを明確にすることで、優先順位が見えてきます。
ここではフロントエンドエンジニアから目指せるキャリアプランを5つ紹介します。
最先端技術を習得したスペシャリスト
一般的なフロントエンドエンジニアのままでは将来性が危ぶまれても、最先端技術を身につけたスペシャリストになれば、市場価値が一気に高まります。
例えばAIやブロックチェーン、IoTの実装、5G関連などの先端技術を活かして高いUXを実現できるエンジニアは、今後多くの開発を任せられるでしょう。また、開発を高速化する新しいフレームワークやツールを使いこなし、開発環境の構築に貢献できれば、他のエンジニアとの差別化につなげることも可能です。
フロントエンドのスペシャリストをめざすには、複数の言語での開発経験を持ち、UI/UXを高める知識とスキルを貪欲に習得していくことが近道といえます。
フルスタックエンジニア
フロントエンドからバックエンド、サーバーサイドまでをひとりで手がける「フルスタックエンジニア」も、おすすめのキャリアプランの1つです。
ここ数年で需要が高まっているフルスタックエンジニアは、主に以下の仕事に携わります。
- サーバー内処理の実装
- API実装
- パフォーマンスチューニング
- セキュリティ対策
実際には、もっと広範囲の業務に対応するエンジニアも少なくありません。開発スピードが速まっている近年、スタートアップをはじめとする多くの企業が、1人で多くの工程を担えるフルスタックエンジニアに注目しています。
フルスタックエンジニアには、バックエンド領域であるサーバーやインフラ、セキュリティ、アプリ、データベース、OSなどの知見とスキルが求められます。
フルスタックエンジニアをめざすなら、フロントエンドの仕事をしながら、データベースやサーバー関連の仕事を少しずつ増やし、領域を広げていくとよいでしょう。
プロダクトマネージャー
開発の全工程にわたり製品管理を行う「プロダクトマネージャー」も、フロントエンドエンジニアにおすすめのキャリアプランです。
主な仕事は、プロダクトに対する以下の工程です。
- 企画・戦略立案
- 仕様や開発プロセスのマネジメント
- ローンチ前後の戦略の立案と実施
- 改善・改良
PM(プロジェクトマネージャー)とよく混同されますが、PMは品質・開発コスト・リリーススケジュールなど、プロジェクトを管理します。一方のプロダクトマネージャーは、顧客の課題解決のために作る商品にフォーカスする点が、両者の違いです。
プロダクトマネージャーが必要とされる背景には、近年SaaSプロダクトのUXデザインやカスタマーサクセス、マーケティングに注力する企業の増加があります。さらにアジャイル開発により、スピーディーかつ臨機応変なプロダクト開発が進められ、一貫した製品管理が必要となったのです。
プロダクトマネージャーになるためには、マネジメント力をはじめ、コミュニケーション力や柔軟な発想力、カスタマーサクセスにつながる思考力を身につける必要があります。日頃から客観的な視点で物事を見るよう、心がけましょう。
Webディレクター
制作の現場を統率する「Webディレクター」へのキャリアチェンジも、フロントエンドエンジニアにおすすめのキャリアプランです。
Webディレクターは、下記のように多岐にわたる職務に携わります。
- クライアントの要望・課題のヒアリング
- 企画提案
- 見積もり・予算管理
- スケジュールの進行管理
- コンテンツの品質管理
- メンバーのアサイン
- サイトの運用・更新
制作の現場監督でもあり、プロジェクトの管理者でもあるWebディレクターには、ディレクションスキルと管理スキルが求められます。制作を統率し指示を出すためには、デザインやライティング、バックエンドなど、最低限のテクニカルスキルも必要です。
クライアントのニーズを実現するための企画立案スキルと、企画を的確に伝えるプレゼンスキルが高いWebディレクターは、クライアントから厚い信頼を受けます。サイトの収益性を高めるマーケティングスキルを持つ人材は、さらに高く評価されるでしょう。
Webディレクターをめざすなら、フロントエンド・デザインの制作を取り纏めたり、アシスタントディレクターとして実務経験を積んだりすることをおすすめします。
Webコンサルタント
クライアントの目的達成をサポートし、Web全般の専門的なアドバイスを行う「Webコンサルタント」も、フロントエンドエンジニアにおすすめのキャリアプランです。
Webコンサルタントの主な仕事内容は、以下のとおりです。
- Web戦略の策定
- Webサイトの制作・改善・運用サポート
- Web集客(Webマーケティング)
多岐にわたるインターネット施策をアドバイスするため、WebコンサルタントにはSEOやリスティング広告、DSPなどのWebマーケ領域の幅広い知識が求められます。また戦略策定のために、クライアントの業界知識も必要です。
Webサイトの問題点を発見・分析し、解決策を提示できる問題解決力や論理的思考力、相手との信頼関係を築ける高いコミュニケーション能力も問われます。
Webコンサルタントを目指したい場合は、日頃から論理的に考える習慣を身に付けるとともに、マーケティングの知見を習得することをおすすめします。
フロントエンドエンジニアは複数スキルでキャリアアップを図ろう
複数領域のスキルを身につけたフロントエンドエンジニアには、多彩なキャリアプランの可能性が開けます。
人手不足のIT業界全体では、多くの工程をこなせる人材に需要が集中する傾向が強まっています。ニーズの高い複数スキルを習得することで、新規参入のエンジニアと差別化を図ることは十分可能です。
もし自分がフツーのフロントエンドエンジニアだと感じるなら、将来のキャリアアップを睨み、成長できる環境で仕事をしながらスキルを習得することをおすすめします。「どこでも通用するWebディレクターを輩出する」というヴィジョンを掲げるリバミーは、フロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアが活躍できる仕事も請け負っています。
「フロントエンドエンジニアとしての仕事の領域を広げたい」「バックエンドの仕事を経験して、フルスタックエンジニアとして活躍する道を探りたい」「ゆくゆくはWebディレクターになりたい」といった方は、リバミーで働くことを通じて今後のキャリアプランを明確にできるでしょう。
まずはどんな仕事があるのか知りたい、キャリアに関する相談に乗ってほしいという方は、ぜひご連絡ください。