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バックエンドエンジニアの将来性 フロントエンドより転職しやすい?

2024.06.19
エンジニアの仕事
若いエンジニアチーム

これまでインフラ構築などに携わってきたエンジニアのなかには「バックエンドエンジニアに将来性はある?」と不安を感じている人もいるでしょう。

Webエンジニアの世界にもAIによる自動化の波が押し寄せ、「バックエンドの業務は大幅に省力化される」といった記事を見かけると、バックエンドエンジニアの将来性や転職事情が気になってしまうものです。

そこで今回の記事ではバックエンドエンジニアの将来性や転職事情、今後身につけるべきスキルを解説します。バックエンドエンジニアのキャリアパスについても紹介しますので、キャリアの将来性が気になる方は参考にしてください。

バックエンドエンジニアの将来性

双眼鏡で prospectを覗く

IT業界全体は人材不足が深刻化しており、2030年には最大79万人のIT人材が不足するといわれています。Webサイト・Webアプリ市場も成長を続けているため、Webエンジニアの仕事は増加しています。

企業によっては、優秀な人材獲得のためにエンジニアの給与水準を高く設定しており、これだけ見てもバックエンドエンジニアの将来性は高いといえます。

一方で業務自動化ツールやクラウドサービス・プラットフォームの普及により、一部では「バックエンド不要論」も囁かれるようになりました。特に開発・保守の工数を削減でき、データの同期を容易にする「Firebase」の登場は衝撃的でした。

しかしFirebaseはRDBと比べて複雑なデータ処理などを苦手とし、大規模開発や複雑なデータの関連付けが必要なアプリ開発には向かないことがわかっています。

また現在のところ、会社の基幹システムや大量の顧客データを扱うシステムなどでは、バックエンドの保守・運用業務が必要です。一部の業務は自動化されても、システムの修正や改正には高度なスキルが必要なため、バックエンドエンジニアの需要は底堅いといえます。

とはいえ、以下に当てはまるバックエンドエンジニアは自動化ツールに代替される可能性が高く、今後厳しくなるといわれています。

  • 仕様書どおりのコーディングしかできない
  • 自ら工夫しない
  • 古い技術・ノウハウのままアップデートしない

バックエンドエンジニアは最新技術の動向を知り、保有スキルのアップデートが求められるのはいうまでもないでしょう。

バックエンド・フロントエンドの転職事情比較

考える二人のエンジニア

バックエンドのほうがフロントエンドよりも「転職しやすい」と聞いて、事実かどうか気になる方もいるでしょう。

ここではバックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアの転職事情を収入と求人数、業務自動化による影響の面から比較します。

収入面の比較

複数の転職サービスの求人情報から算出すると、バックエンドエンジニアの平均年収は410万円~860万円でした。対してフロントエンドエンジニアの平均年収は410万円~870万円と、ほとんど変わらない水準です。

一方、案件単価で見るとバックエンドの単価相場は60万〜90万円前後で、フロントエンドエンジニアの50万~70万円よりも高単価になる傾向です。

また、あるフリーランスエージェントの利用者の最低年収は、バックエンドで約420万円なのに対し、フロントエンドでは約230万円でした。ここからフロントエンドエンジニアは、スキルにより収入に差が生じていることが伺えます。近年のプログラミング学習ブームで、フロントエンドエンジニアの間口が広がったことも影響しているようです。

対するバックエンドエンジニアは扱う領域が広いため、フロントエンドエンジニアと比べると習得難易度は高めです。ハイスキル人材が多い分、仕事の単価も高く安定していると考えられます。

転職しやすさ・求人数の比較

複数の転職サイトで求人数を算出すると、バックエンドエンジニアの求人数に対するフロントエンドエンジニアの求人数は約1.3~1.5倍でした。

フロントエンドの求人数が圧倒的に多く、就職難易度はフロントエンドの方が低いといえそうです。

一方のバックエンドエンジニアも人材ニーズは高く、求人数も少なくありません。エンジニア全体の有効求人倍率をデータで見ると、2023年2月度の東京の有効求人倍率1.52に対し「IT技術関連」の有効求人倍率は3.20と高水準です。

エンジニア全体の求人数と有効求人倍率から考えると、バックエンドエンジニアの転職市場も売り手市場といえるでしょう。

参照:厚生労働省「職種別有効求人・求職状況(一般常用)」

業務自動化の可能性の比較

バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニア、どちらが業務自動化の影響を受けやすいか、気になる方もいるでしょう。

一時「firebaseによりWeb開発がフロントで完結」といわれたために、フロントエンドのほうが、将来性があるように感じたバックエンドエンジニアは多いかもしれません。

しかしツールに代替される可能性でいえば、フロントエンドも同様です。自動コーディングツールの登場や、フロントエンドの就業者数の増加により「フロントエンドはオワコンか?」といわれた時期もありました。

業務自動化による影響はバックエンド・フロントエンドのどちらにもあり、ツールに代替されないために知識とスキルのアップデートが必要な点は変わらないでしょう。

バックエンドエンジニアに今後必要となる3つのスキル

スキルのブロックをわたる人

プラットフォームやツールに代替されないために、バックエンドエンジニアが今後身につけるべきスキルは以下の3つです。

  1. フロントエンドのスキル
  2. クラウドのスキル
  3. フレームワークのスキル

1.フロントエンドのスキル

最初に紹介するのは、フロントエンドのスキルです。

近年のWebサイト・アプリは高度化・複雑化し、開発においてデータベースとの通信やAPIの提供、ユーザー認証などでフロントエンドとの連携が増えました。バックエンドエンジニアも以下のマークアップ言語を習得し、ソースコードを理解する必要があります。

バックエンドエンジニアがフロントエンドのスキルを身につければ、セキュリティやデータの一貫性を保ちながら、フロントエンドとのシームレスな連携を実現できるでしょう。

2.クラウドのスキル

2つ目は、クラウドの環境構築スキルです。

オンプレミスの自社サーバーは、運用・管理負担が重くコストもかかるため、クラウドへ移行する企業が増えています。近年はBCP対策(災害対策など)の観点からも、データをクラウドで複数拠点へ分散保管する動きが加速する傾向があります。

そのため以下のクラウド環境でサーバーの設計・構築・運用・保守ができるエンジニアは重宝されます。

  • AWS(Amazon)
  • Azure(Microsoft)
  • GCP(Google)

企業の導入率の高いAWSには権威ある認定資格もあるため、スキル証明に取得するとよいでしょう。

3.フレームワークのスキル

3つ目は、フレームワークのスキルです。

フレームワークを使えば、手動で多量のコードを書かずにプログラムを組むことができるため、バックエンド開発効率の大幅な向上が可能です。バックエンドでは、以下のフレームワークが多く使われます。

  • Django(Python)
  • Ruby on Rails(Ruby)
  • Spring Boot(Java)

フレームワークは多数あるため、現在使っている言語のフレームワークから習得していくとよいでしょう。

バックエンドエンジニアが目指せる3つのキャリアパス

笑顔で談笑するエンジニアたち

先に紹介したスキルを身につけた後、バックエンドエンジニアから目指せるキャリアの方向性には以下が考えられます。

  • 知識と経験を深め、業務範囲を拡げる
  • マネジメントスキルを習得して、プロジェクトを統括する側にまわる

上記2つの方向性に沿ってめざせる具体的なキャリアパスは次の3つです。

  • フルスタックエンジニア
  • プロジェクトマネージャー/Webディレクター
  • Webコンサルタント

フルスタックエンジニア

フルスタックエンジニアとは、フロントエンド・バックエンドの両方の領域に対応できるエンジニアのことです。

業務範囲はバックエンドだけでなく、デザインやUI/UX、SEOなど、フロントエンド領域までカバーします。システム全体の最適化や効率的な運用、アーキテクチャまで、開発のテクニカル面を包括的に把握できるエンジニアとして、近年注目が高まっている職種です。

フルスタックエンジニアへのキャリアパスは、まずフロントエンドの開発にも関わり、その後上流工程に携わって、複数工程のスキルを習得するとよいでしょう。

企画から開発、運用まで幅広い工程に携われるようになれば、どこへ行っても活躍できる市場価値の高いエンジニアになることが可能です。

プロジェクトマネージャー/Webディレクター

Webのシステム開発やクラウド関連の案件を仕切るプロジェクトマネージャーや、集客・UIの設計までカバーするWebディレクターは、制作や開発においてスタッフや工程を管理・統率する仕事です。

近年は開発ができるWebディレクターの需要が高まっており、開発からプロモーションまで一貫して担えるディレクターは希少性があり重宝されます。

最近はサービスの目的に合わせたハードウェアの選択知識や、データベース構築の知識とスキルなどが求められます。バックエンドエンジニアはシステム全般の技術を押さえているため、プロジェクトマネジメントやディレクションのスキル・ノウハウを習得すれば活躍の場を大幅に広げられるでしょう。

プロジェクトマネージャーやWebディレクターになるためには、開発や制作に関する専門的な知識・技術に加えて、以下のスキルが必要です。

  • PMスキル
  • マーケティングスキル
  • 企画立案・提案スキル

今後はバックエンドエンジニアとしてマネジメントに携わりながら、管理・ディレクションスキルを習得していくとよいでしょう。

Webコンサルタント

技術の枠に留まらず、ビジネスサイドで活躍したい人には、Webコンサルタントをめざすという道があります。

Webコンサルタントは、クライアントの経営戦略に基づくWeb開発や制作、運営に関するコンサルティングを行うのが役割です。大きく分けて「戦略立案」「サイトの改善」「集客サポート」の職務を担い、以下の業務に携わります。

  • 市場調査
  • 経営状況や事業環境の整理
  • サイトの問題点の指摘
  • 開発・制作面のアドバイス
  • 業務フローの改善

Webコンサルタントには、社内のWeb担当者だけでは対応しきれない経営・マーケティング視点での改善が求められます。Webコンサルタントを目指すなら、日常の業務で以下のスキルを習得しましょう。

  • 提案力
  • 交渉力
  • 問題解決力

スキルアップによってキャリアの選択肢を広げよう

二人のエンジニア

バックエンドエンジニアは将来性のある仕事で、転職の求人やフリーランス案件もフロントエンドと同様に多数あります。ただしWeb開発の技術は常に進化するため、スキルの刷新を怠れば仕事の選択肢が減ってしまうこともまた事実です。

フロントエンド・クラウド・フレームワークの新しいスキルを身につければ、業務自動化ツールに代替されることなく、多彩なキャリアの方向性が拓けます。

エンジニアとしての専門性を高めるのか、上流工程やマネジメントに移行するのか。制作・開発の幅を広げながら多彩な選択肢から探っていきましょう。

リバミーは、フロントエンドやバックエンドのプロジェクトを多数請け負っており、フルスタックエンジニアやマネージャーをめざす人材をアサインしています。キャリアプランに合った仕事をしていきたい人、今までとは違う業界・規模のプロジェクトでスキルを磨きたい人は、ぜひご連絡ください。

リバミーの求人・採用情報

リバミーが求める人材は、自由な発想で創造ができる人。
経験が浅い方でも、社内研修制度や業務経験を通じて成長し、活躍できるようになります。
「大手企業のWebディレクターとして結果を出したい」「独立・フリーランスで成功したい」など、
個々の想いや成長を大切にする会社です。