Webディレクター必見!サイト制作が遅れる理由・予防策・リカバー方法まとめ
Webディレクターにとって大きな悩みの種は、サイト制作プロジェクトにおける進捗の遅れです。納期が迫れば迫るほど、挽回しようとスタッフが焦り、疲弊してしまいます。
しかし、遅れの原因と予防策、リカバリー方法を知っておけば、ダメージを最小限に留めることも可能です。
今回の記事では、Webサイト制作でよくある遅延の原因と予防策について解説します。遅延が発生してしまった場合のリカバリー方法も紹介しますので、処方箋としてお役立てください。
Webサイト制作のよくある遅延の原因とパターン
プロジェクト計画を立てているにもかかわらず、いつの間にか制作の進捗が遅れてしまうこともあるでしょう。遅れに対しては、対処を誤るとかえってダメージが大きくなるため、原因を正確に把握することと適切な対処が必要です。
ここで、Webサイト制作によくある遅れの原因を探っていきます。
スケジュール見積もりの甘さ
プロジェクト計画は、PM(プロジェクトマネージャー)が全工程を目標から逆算して分解し、プロジェクトに要する時間を見積もって作成します。
この際に生じた小さなズレに、早い段階で気づければよいのですが、気づくのが遅れると、積もり積もって大きな遅延に発展してしまうケースがあります。
所要時間の見積もり自体が甘いケースもあれば、作業工程の分解時に見落としがあり、見込み以上に時間を要してしまうケースも多いようです。
人員のアサインミス
Webサイト制作プロジェクトのメンバーのアサイン時に、担当に経験やスキルが不足している人員を割り振ってしまったために、プロジェクトが遅れる場合があります。人員が不足した状態でのプロジェクト進行も、遅延の原因です。
制作・進行スタッフを適材適所でアサインしなければ、工程見積もりと制作スピードの食い違いが生じ、その差は工程が進むにつれ開いてしまいます。
進捗報告・管理の不足
チームメンバーによっては、進捗が遅れている報告をしなかったり、報告を正しく行わなかったりするケースもあります。結果として、初期の遅延が見過ごされ、発覚したときには深刻な遅延に発展してしまうのです。
この場合、報告がなかったことだけでなく、管理する側が状況を把握できていない点にも問題があります。
外注先との連係ミス
制作の現場では外注先に丸投げしたまま、進捗管理や情報共有を怠り、状況を把握していないケースもよくあります。しかし、外注先との連携が甘いと進捗の遅れに気づけず、発覚したときには大幅な遅延になってしまいます。
外注先との認識のズレによって手戻りが発生すれば、遅延がより深刻化してしまうでしょう。
リカバリー方法の誤り
遅延が発覚した際に、取り戻そうと誤った対処をしたために、かえって空回りやミスが増えてしまうこともあります。
遅延の原因を正しく追究して対処できなければ、遅延は解消できず、さらに遅れることになりかねません。
Webサイト制作の遅れを予防する方法
Web制作の遅れは、原因を知れば予防することも可能です。ここでは、制作遅延の原因を踏まえた、適切な予防策を紹介します。
チーム内のコミュニケーションを密にする
制作遅延の予防法のひとつ目は、チーム内で密なコミュニケーションを取ることです。
もしチーム内に、メンバーが報告・相談しづらい雰囲気があると、進捗が遅れたときに報告してもらえません。Webディレクターの方からメンバーと適切なコミュニケーションを取り、遅れや疑問点などを報告・相談しやすい雰囲気を作りましょう。
どんな場合に、どんな形式で報告・相談すればよいか、報告のタイミングや方法を統一することも大切です。報告が必要な基準を明確化し、報告内容を具体化(数値化)すると、メンバーも報告しやすいでしょう。
使いやすいコミュニケーションツールや進捗管理ツールを導入するのも、効果的な管理方法のひとつです。
要件の見直しやすり合わせを欠かさない
チームと同様に、クライアントとのコミュニケーションも重要です。
成果物の要件が不明確であれば、タスクの設定とプロジェクトの進行が適切に行えず、遅延が生じる原因となります。また、納品時にクライアントの求める成果物と異なるために修正が生じ、新たな工数が増えてしまいます。
要件と制作の方向性を明確にするためには、ヒアリングでの要件のすり合わせと、プロジェクト進行中でも不明点について都度の確認が不可欠です。制作を進めてから「希望と違う」とクライアントから言われるケースも時々ありますが、要件定義・設計などのポイントごとに合意形成し、手戻りを防ぎましょう。
不測の事態を想定してスケジュールを組む
プロジェクト計画を組む際には、不測の事態やトラブルが起こるものと想定し、スケジュールに余裕を持たせる必要があります。
バッファのないタイトなスケジュールを立てていると、不可避なトラブルが発生した場合、遅れを挽回するために、チーム全体に無理がかかってしまうためです。
技術的な工数だけでなく「人月」「人日」で見積もると、見積もりの精度が上がり、適度なバッファを設定しやすくなります。人月はシステム開発に使われる工数見積もり法で、工数を人数×月数と計算する手法です。
納期にある程度の余裕を持たせておけば、メンバー全員が冷静な状態でリカバリーできるでしょう。
人員とスキルの不足は上級者がサポートする
人員不足や、配置された人材のスキル不足がわかっていても、やむを得ずプロジェクトを進行しなければならないケースもあります。
可能な限り、スキルのある者と交替すべきですが、できない場合はスキルの不足するポジションに、上級者のサポートやレビュアーを配置しましょう。そのうえで該当の工程に対しては、厳密な進捗管理を行うことが大切です。
Web制作が遅延した場合のリカバリー方法
制作遅延は可能な限り予防すべきですが、手を尽くしても、残念ながらプロジェクトが遅れてしまうことはあります。
ここでは制作が遅れた場合に使える安全で適切なリカバリー方法を紹介します。いざというときにトライしてみてください。
「クラッシング」でリソースを追加する
遅延時のプロジェクトのクリティカルパスに対し、人員やツールなどのリソースを追加投入し、全工程の所要時間を短縮するリカバリー方法です。遅延の原因がリソース不足の場合には即効性があります。
注意点は、無計画に人材を投入すると、コミュニケーションコストがかかる分だけ非効率になることです。また、スキル面などで不適切な人材が投入されると、かえって遅延が進行する場合もあります。
クラッシングには、問題を解決できるスキルや経験を持つ人材のみを投入しましょう。
「ファストトラッキング」でタスクを同時進行する
現在進行中のタスクと、次のタスクを同時に進め、全体のスケジュールを縮めるリカバリー方法です。
効率的で全工程のスピードアップにつながるため、期日厳守のプロジェクトでの遅延挽回策としては有効です。
注意すべきポイントは、前の工程にミスがあった場合に手戻りが生じ、2番目のタスク自体が無駄になる可能性があること。また、複数タスクを並行して管理する必要があり、管理側の負担が増すことにも注意が必要です。
ファストトラッキングを行う際、Webディレクターはそれぞれのタスクが的確に行われているか、確認を徹底しましょう。
後に控えているタスクを効率化して巻き返す
後に控えているタスクを効率よく進めるプランを立て、巻き返しを図るリカバリー方法です。
最終的にプロジェクトの納期に間に合うよう、後ろの工程で作業効率を上げる方法がないか、削れるタスクはないかを検討し、トータルでの巻き返しを狙います。
ひとつの工程を進行管理しながら次の工程の作戦を練らなければならないため、ファストトラッキングと同様、Webディレクターの腕の見せどころです。
リソース配分を変更する
人員が足りているはずなのに進捗が遅れる場合は、リソース配分が不適だったり、アサインが適切でなかったりする可能性があります。
人員にかかわらず進捗が遅れる場合は、メンバーのアサインが適切かどうかを確認し、必要に応じてリソース配分を変更することが重要です。
クリティカルパスなど、後の工程に影響を与えるポジションや工程には、なるべく経験やスキルの豊富な人材を充てるようにしましょう。そうすることで、効果的な巻き返しが可能です。
Webサイト制作の遅延はコミュニケーションとタスク管理で対策できる
トラブルがつきもののWebサイト制作ですが、制作の遅れについては事前の綿密な計画や適切なアサイン、十分なコミュニケーションにより、未然に防げるケースも多いです。
それでもプロジェクトが遅延してしまったら、慌てずにクラッキングやファストトラッキング、後のタスクの効率化、リソース配分変更で乗り切りましょう。
Webサイト制作遅れの原因を知り、予防策とリカバリー方法を実践できれば、Webディレクターとしてひとまわり大きく成長することが可能です。
プロジェクトマネジメントの経験が積めるリバミー
今回紹介した遅延の予防やリカバーを的確に行うためには、座学だけでは足りず、実際のプロジェクトにおけるコミュニケーションやマネジメントの経験が必要です。
リバミーが請け負っているプロジェクトに参加すれば、大規模サイトや有名ブランドのサイトなど、なかなか体験できない仕事の経験を積むことができます。Webディレクターとして関わる仕事の幅を広げたい方、プロジェクトマネジメントのノウハウを身に付けたい方は、ぜひご応募ください。