フロントエンドエンジニアのなかにも、Web制作現場で、ディレクションやマネジメントにチャレンジしてみたいなどWebディレクターに興味がある方が多いのではないかと思われます。

しかしフロントエンドエンジニアのスキルをベースにWebディレクターの仕事ができるのか、新たにどのようなスキルが必要になるのか、よくわからない方が大半でしょう。

今回の記事では、フロントエンドエンジニアからWebディレクターをめざすうえで、そのまま活かせる保有スキルと、新たに身につけるべき必須スキルについて解説します。

フロントエンドエンジニアからWebディレクターになれる？

実際に制作現場のフロントエンドエンジニアから、上流工程をめざしてWebディレクターにステップアップする方は数多くいます。

フロントエンドエンジニアとしての知識とスキルは、Webディレクターの強みにもなります。見積もりの作成、要件定義、テストなど、Web制作のさまざまなフェーズで、フロントエンドエンジニアの技術とノウハウを活かすことが可能です。

エンジニア出身のWebディレクターは、開発の現場とフローを理解しているため、現場目線の適切・合理的な指示出しができます。クライアントの技術的な要求に対しても、可能か不可能か、どれくらいのリソースが必要か、エンジニアに聞かずに自身で判断できるでしょう。

制作のテクニカルな領域を自分で判断できる点は、エンジニア出身のアドバンテージです。ただし、Webディレクターとして仕事をしていくためには、プロジェクトを統括・進行するスキルや、自分に足りない制作スキルを身につけることも必要です。

Webディレクターの仕事に活かせる！フロントエンドエンジニアの保有スキル

フロントエンドエンジニアとしてのWeb制作のスキルと知識を、Webディレクターの業務に活かせば、プロジェクトを効率的に遂行することも可能です。

ここで具体的に、フロントエンドエンジニアのどのような保有スキルがWebディレクター業務に役に立つのか、1つずつ見ていきましょう。

コーディングスキル

HTML・CSS・JavaScriptといったフロントエンド開発言語でコーディング・開発ができるスキルは、Webディレクター業務の役に立ちます。

Webディレクターがコーディングを知っていれば、クライアントの意向を汲んだ制作の方向性に合わせ、作業の指示出しを的確に行えます。必要に応じて現場のサポートに回ることもでき、制作後に自ら修正作業もできるでしょう。

UI/UX設計スキル

ユーザーが必要な情報を得やすく、使いやすいサイトを設計するUI/UX設計スキルも、Webディレクター業務に活かせます。

WebディレクターにUI/UXの知識とスキルがあれば、デザインコンセプトを決める際に、現場では思いつかない視点での発案やアドバイスも可能です。マーケティングの視点なども交えて、クライアントのターゲットユーザーに最適なデザインを考えられれば、クライアントからの評価も高まるでしょう。

SEOの知識

フロントエンドエンジニアが持つSEO関連の実装スキルも、Webディレクターとして活用できる主要なスキルのひとつです。

SEOによるサイトの集客効果を高めるためには、内部リンクや被リンク、h1・h2といったタグの使い方などの要素を的確に活用しなければなりません。そのため、SEOの考え方だけでなく技術がわかるWebディレクターは重宝されるのです。

バックエンド言語の知識

フロントエンドエンジニアが持つバックエンド言語の知識も、Webディレクター業務に役立ちます。

Webディレクターがバックエンド言語を理解していれば、サーバーやデータベースの実務を把握しやすく、バックエンドエンジニアやデザイナーとの意思疎通がより円滑になるでしょう。

プロジェクト進行スキル

フロントエンドエンジニアはWebデザイナーやコーダー、Webディレクターやサーバーサイドエンジニアと連携して仕事をするため、プロジェクトにおける業務連携スキルが身についています。

コーダーへのアドバイスや、実現可能なデザイン設計の検討などで培われた知見は、Webディレクターのディレクション業務に活かすことが可能です。

フロントエンドエンジニアがWebディレクターになるために必要なスキル

フロントエンドエンジニアからWebディレクターへの転職・キャリアアップでは、技術面の知識とスキルが有利に働きます。一方で、今後Webディレクターとして活躍するためには、プロジェクトを遂行する多様なスキルが必要です。

ここでエンジニアからWebディレクターへスムーズにキャリアアップするために、身につけておくべき必須スキルを紹介します。

デザインスキル

エンジニアからWebディレクターをめざすなら、制作するWebサイトのデザインやUIに関する知識・スキルを身につけておく必要があります。

まず、Adobe XDやFigmaといった主要なデザインツールの使い方はマスターしておきましょう。ページ構成やカラーリング、タイポグラフィなどの理解があれば、デザイン面の指示出しがスムーズになります。

クライアントのターゲットに合わせたデザインを追求するためには、デザインのトレンドを知る必要性も出てきます。今のうちから最新情報をチェックする習慣をつけましょう。

コンテンツ制作・編集スキル

Webサイトの中身であるコンテンツの制作・編集スキルも、Webディレクターには必要です。

コンテンツの種類や制作工程の理解に加え、少なくとも最低限のコピーライティングスキルは、身につけておきたいところです。コンテンツをすべて自力で作れなくても問題ありませんが、テキストの編集や修正ができるくらいの知見は持っておきましょう。

最近ではターゲットに合わせ、多様なコンテンツが制作されるようになりました。今後は文章以外に、動画などの新しいコンテンツへの理解も求められるでしょう。

マーケティングスキル

Webディレクターになると、Webサイトでクライアントの成果にコミットする必要が生じます。

Webサイトの最終的な目的は、購入や問い合わせなどのコンバージョンにつなげることです。Webディレクターは流入経路や離脱率、回遊率などをデータ分析し、ユーザーのニーズや市場動向を把握します。分析結果をもとに行う検証・改善提案は、Webディレクターとしての手腕が問われるところです。

会社によっては、広告の運用管理などもWebディレクター業務に加わります。近年はWebサイトを納品して終わりではなく、保守・運用、マーケティングまでワンストップでサポートする会社が増え、Webディレクターの業務の幅も広がる傾向にあります。

マーケティングの知識とスキルは、今後ますます必要とされますが、知識を身につけるには時間がかかります。エンジニアのうちからマーケティングやデータの理論を、書籍や専門サイトなどで学んでおきましょう。

プロジェクトマネジメントスキル

Webディレクターを目指すなら、限られた予算と期限の中で、プロジェクトを完了させる計画策定・管理能力（プロジェクトマネジメントスキル）を身につけなければなりません。

Webディレクターは制作スタッフすべてと関わり、プロジェクトを統率する役割を担います。企画・設計・制作の各工程から洗い出したタスクの優先度を決め、割り振り・指導を行う現場監督としての立ち位置。メンバーやスケジュールを調整する能力も必要です。

マネジメントの基本は書籍でも学べますが、座学で実務を学ぶのは限界があるので、アシスタントディレクターとして実務を学ぶのもひとつの方法です。

コミュニケーションスキル

Webディレクターになるためには、高いコミュニケーションスキルも求められます。

Webディレクターは、クライアントをはじめとする各ステークホルダーとの折衝や、チームメンバーとのやり取りなど、交渉や相談の多い職務です。プロジェクトを円滑かつ効果的に遂行するためには、各方面への適切で効率的なコミュニケーションが欠かせません。

クライアントとチームの両方にとって、最適なコミュニケーションを取れるよう、日頃から相手の立場を考慮した伝え方と傾聴姿勢を心がけましょう。

フロントエンドエンジニアからWebディレクターをめざすために

フロントエンドエンジニアがWebディレクターへとキャリアアップし、活躍することは可能です。エンジニアとして培ったスキルと知識は、多くのWebディレクター業務に活かせるでしょう。

一方で、マネジメントスキルやコミュニケーションスキル、デザイン関係のスキルなど、新たに必要なスキルもあります。エンジニアの仕事をしながら学ぶか、アシスタントとしてWebディレクターの実務に就くか、いずれかの方法でスキルを習得することが必要です。

Webサイト制作のプロジェクトを多数請け負うリバミーは、フロントエンドエンジニアからのスムーズな転身を実現できる場です。大企業のサイトのプロジェクトが多く、マルチタスクのWebディレクターが活躍できる機会が多いからです。

フロントエンドエンジニア出身のWebディレクターがキャリアアップした事例もあり、将来どんなWebディレクターをめざすのかを明確にして働くことができます。興味がある方は、気軽にお問い合わせください。